彼の文章
私の所属する部署に新卒で入社した社員は、
議事録などの様々な文書を書くことになっている。
去年入社した社員たちは、すでに議事録のベテランなのだが、
今でも上司や周りの人に確認し、
わかりやすい文章を作成することを心掛けている。
上司も「書いた文書、確認するよ」と、
声を掛けている。
私は「いつまで続くのか」と思いながら、傍観している
上司が文書の確認をする、で思い出した・・・
6年前、
私の下に新入社員が入社した。
人事なので、通達も多い。
私は「事前に見せて」と言い、
赤ペン先生のごとく、拙い文章をバンバン指摘していた。
「この表現は回りくどい」
「結論を明確に」
「この例えは要らない」
ワタシが新人の頃に先輩に注意されたことと同じことを言っているな~と思った。
ある時彼が切れた。
「自分で書けばいいじゃないですか!?」
そして、
部下を切らせた、として、
上司から叱責を受け、
彼を別グループに異動させた。
お育ちのいい上司には、
お育ちが悪いワタシが気に入らなかったのだろう。
それが響いたのか、その年のワタシの評価は、
協調性、指導力ともにE(5段階判定の一番下)だった。
異動先の女性の先輩は、
彼の文章を一切見なかった。
もっとも話の内容が違う。
給与の手続きに関するメールの日にちだけ変えればいいだけだった。
でも、年末調整の依頼文は、
相変わらずよくわからなかった。
部下ではないので、指摘はしなかったし、
皆年末調整は慣れているので、
何事もなく、無事提出されていた。
先日、問い合わせに対する彼からメールが届いた。
相変わらず、結論に至るまでが長い。
文章も長くて、なかなか句読点にたどり着けない。
メールを読んで「だからナンなの!!!」と、思わず声に出してしまった。
結局他の部署の人に聞いて解決した。
私の下から離れてから、彼は4人目の上司についている。
誰も彼の文章を直してあげないのだろうか?
それとも、相変わらず私が彼に厳しすぎるのだろうか?
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